「マイちゃんの場合」2002/9/28 up
36年勤めた職場を退職するのを機会に、また家庭に犬のいる生活がしたいと思うようになりました。
どの犬種にしようか、いろいろ調べましたが、決心がつかず、2年前に亡くなった子の時のように出会いを待つことにしました。出会いはすぐやってきました。「千葉にいるこの犬を飼ってほしい」と娘がホームページを開くと、そこにわが家の3匹目の愛犬となるテリアちゃんがいたのでした。
ボランティアの方や一時預かりの方の「幸せになってほしい!」の願いと共にテリアちゃんはわが家にやってきました。マイと名づけました。
ボランティアの方のお話では、マイは数年前子犬と一緒に捨てられ、子犬はみな死んでしまい、廃車に暮らしていたとか。そんな過去をもつマイは控え目で、ものしずかではありますが、人に媚びない、自立した個性の持主でした。疲れていたのでしょうか、人のいない場所でよく寝ていました。でも、必ず、時々あいさつにくるのです。耳を寝かせ姿勢を低くして、まるで「勝手をして申し訳ありません」とでもいうように・・・。いじらしくて、「今まで苦労してきたんだから、マイちゃんのすきにしていいんだよ」と何度も頭をなでてあげると、安心したようにまた戻っていくのでした。
40日位たった時、生まれたその日に捨てられた「乳飲み子5匹兄弟」を預かることになりました。
最初、距離をおいて見ていたマイは頼りない新米母さんにまかせておけないと思ったか、突然母犬役を始め、疲れながらも毅然とやりぬきました。私はただただ感心して、マイの助手となって授乳係を勤めたのでした。1週間後ベテランの方にバトンタッチ。4匹はすでにいぬ親・ねこ親さんに引き取られ、残るは そぼろくん。みんな、幸せになってね!
わが家にきて4カ月の頃から、マイは急に家庭犬へと変身を始めました。
いつも家族のそばにいて、もっとなでてと催促したり、何かくれそうな人にはりついたり、家族のいるテーブルの下でくつろいだり・・・。たまにちゃっかり屋ぶりも発揮して家族の笑いを誘います。
捨てられても黙って(本当にマイはほとんど吠えないのです)耐え、遊ぶことも知らず、爪が肉球に食いこんで自由に歩けないような環境で数年間生き伸びてきた子が、わが家で元気になり、家庭犬へと変身していく。
成犬の里親になるとは、その子の幸せでなかった負の過去を、ボランティアの方たちの意思を引きついで、自分の家庭で挽回してあげることだと思うようになりました。その逆転劇に立ち会えることは、無邪気な子犬を育てるのとは違った、なんといったらいいか、こちらまで癒されるような喜びがあります。
成犬の里親を希望される方がなかなかいらっしゃらないのが、ボランティアの方の悩みだそうですね。家庭環境、自分の力量もあります。でも、成犬はある程度性格も分かっているので、自分の条件に近い子を選べます。これから里親になろうという方たちがちょっと選択肢を広げ、成犬にも目を向けてくださって、まだ現地にたくさんいる成犬たちの逆転劇に立ち会ってほしい。これが半年前まで「劣悪多頭飼育」という言葉も知らず、成犬を飼おうとは夢にも思っていなかった今の私の願いです。
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