
Contents
1. ぽにょ手術の記録(まとめ)
2. 両膝再脱臼⁉
3. 手術中止に
4. 両膝同時手術
5. 関節内浸出液貯留と自壊
6. 免疫疾患の疑い
7. ステロイド・免疫抑制剤の開始
8. 抜釘手術
9. 装具
10. 最後に
1. ぽにょ手術の記録(まとめ)
Vol.1 ぽにょ①(整形外科編)
2025.1.29 軟口蓋切除術、鼻腔拡張手術
2025.4.24 左股関節全置換術(左股関節)
2025.5.10 右膝蓋骨内方脱臼整復術、大腿骨矯正骨切り術、内旋制動術(右膝)
2025.5.24 右膝蓋骨内方脱臼整復術、大腿骨矯正骨切り術、脛骨高平部水平化骨切り矯正術(m-CTWO)(左膝)
2025.7.18 右股関節全置換術(右股関節)
Vol.2 ぽにょ②(免疫疾患編)
2025.9.10 右膝蓋骨外方脱臼整復再手術、左膝蓋骨内方脱臼整復再手術
2025.11.14 抜釘
2. 両膝再脱臼⁉
2025年8月23日
診察
左股関節、右膝、左膝、追加の右股関節の手術も終え、これであとは順調に術後の経過観察をしていくのみと思っていました。
順調に抜糸も済ませ、術後経過も問題なく、この5週間後の術後診察の結果が良ければ、これで手術も治療も終了!
長かったけど、やっとやっと終わった!と思って臨んだ診察。
思い起こせば10日前、
4日間ほど両後ろ足に力が入っていないような様子が見られていましたが、気にしないようにしていました。
フラフラしていて動きがおかしく、「あれ?」と思ってはいたのですが…
様子を見ていたら持ち直してきたので「一時的なものだったのかな?」、「もう治ったから気のせい。」と、私自身が不安を感じないように無自覚に否認していたのだと思います。
レントゲンの結果、
直近で手術をした右股関節は問題なしで経過良好、左股関節も経過良好でよかったのですが…
本来安定期となり安静解除になるはずの術後3カ月になる両膝が、両方とも再脱臼との診断。

股関節の全置換術後で完全な安静生活を送っていたのに、先生も何が起こったのか分からない状況でした。
かなりの大きな衝撃を受けたとしか思えないような現象との診断ですが、ケージレストで安静にしているのでまずそんなことは起こりえません。


厚み3.5㎝の介護用のマットでもダメでしたか?バスタオルくらいの厚みであればよかったのですか?と、それしか思い当たらず聞きましたが、そんなレベルではなく、言うならば大人が誤ってぽにょの上に座ってしまうくらいの衝撃レベルとのこと。
うっかりひねってしまったなど、犬だからいろいろ分からない部分もありますが、とにかく原因不明(のちに判明します)ではあるものの、両膝の再手術が必須な状況になってしまいました。
ショックが大きすぎて、この頃の記憶が曖昧な部分もありますが、メモやインスタなどを参考になるべく忠実に経過を書いていこうと思います。
触診、画像などから、非常に難しい状況ではあるものの、日本ではほぼ例のない手術方法なども含めて治療方法を検討していく方向となりました。
診察後も、知り合いの先生に連絡して画像を見てもらったり、院長先生自身が何度も何度も画像からサイズを測って手術方法を検討したりと手を尽くしてくださいました。
ただ、それだけたくさんの手持ちカードを持って手術に挑んでも、開けてみての状況で臨機応変に対応、判断していくことになるのが、ぽにょのようにたくさんの疾患を抱えている、単純な教科書通りの症状ではない子の難しさなのだと思います。
両膝同時手術の方針と決まり、私自身も、継続して環境を整え、声掛けも控えて安静に努めて「これで最後の1回だから頑張ろうね。」とぽにょに心の中で声をかけながら手術日までを過ごすこととなりました。
3. 手術中止に
2025年8月26日
前日入院
車の中で病院に行くことを察してプーと鳴くぽにょ。
何とも切ない運命にやり場のない口惜しい思いがこみ上げてきます。
緊張で診察台に上がっても珍しく、はぁはぁと呼吸が荒くなりぽにょも何かを察していたのか…

2025年8月27日
手術中止
麻酔をかけてのCT撮影時にバイタルが不安定になってしまったとのことでその後の手術は急遽中止となりました。
血液検査での術前検査に大きな問題はなくこれから手術を始めますと連絡がきてから2時間で電話が鳴りました。
慌てて取ると、いつもの先生ではなく、麻酔担当の先生から。
状況が違うことを察し、手が震えました。
そして告げられたのは上記の内容。
とにかくぽにょは無事ですよね?大丈夫ですよね?とそれだけが知りたく、矢継ぎ早に質問をしてしまいましたが、覚醒してお水も飲んでいるので、今は危険な状況等ではなく無事に過ごしているとの回答でした。
2025年8月29日
退院
そして2日後一度退院して2週間後を目安に仕切り直すことになりました。
いったん帰ってきたぽにょ、おもちゃをかき集めてその日は就寝。

4. 両膝同時手術
2025年9月9日
前日入院
実は手術中止になった時の採血で肝臓の数値が少し悪くなっていたぽにょ。
次の手術に向けて、肝機能を改善する薬を飲みながら過ごしていました。
慌ただしく前日夜に入院しましたが、入院しすぎて、入院グッズを看護師さんに渡しても、「あ、いつものですね!」と言っていただけるスムーズさと、こんなに慣れていることが悲しいような安心なような微妙な心境で託してきました。
病院ではとても可愛がられていて、前回の退院時に看護師さんに「ぽにょー可愛いねぇ。しばらくお別れだね。」と言っていただいたのが印象的で、ぽにょがどの看護師さんにもしっぽを振って突撃していくので、環境的に送り出す安心感があったことは救いでした。
2025年9月10日
手術内容
・右膝蓋骨外方脱臼整復再手術、左膝蓋骨内方脱臼整復再手術
当日の術前検査では肝臓の数値はバッチリで問題なし。
そして、十分に管理していただき麻酔も手術も無事に終わりました。
ただ、ぽにょの太ももの筋肉の捻る力が強いため、術後の関節に負担をかけないようアンカーのような長いボルトを入れることとなり、1か月後に20分ほどの手術で抜く方針となりました。
「なんとか手術の効果を維持するために」
と、やはり予想外のことが起きましたが、ある意味それも想定内です。

5. 関節内浸出液貯留と自壊
2025年9月15日
退院
退院後は、後ろ足にまったく力が入らず、トイレも行かず水も飲まず。

ぐったりして痛いのか怠いのかとにかく見ているのもつらいほどのぽにょ。
入院中はいつも食欲が微妙になるぽにょですが、帰ってきたら毎回よく食べるようになるのに今回は夕飯のフードも全く食べません。
慌ててさつまいもを買ってきて焼き芋を作って温かいうちにあげたら喜んで食べたものの、次の日の朝からは少ししか食べず、どんどん減る食欲に不安は募ります。
さらにその次の日、食欲は普段の5分の1でしたが、そのまま様子をみることにしたものの仕事から帰ってきてびっくり。
今まで何もなかった前足が急に腫れあがっていました。
朝は腫れてなかったはずなのにこんな急激に?と慌てて病院に連絡しましたが診療時間後で先生がいないため、次の日の朝一の診察予約をとり一晩様子を見ることにしました。
しかし足はみるみる腫れてきて皮膚が風船のように薄くなりとうとう破裂してしまいました。
倦怠感もあるのかぐったりして顔も上げないでこちらを見ていることも多く、不安な一晩を過ごしました。

2025年9月17日
入院
朝起きたら変わらず食欲はなくぐったりモード。
でも急変しないでくれてよかった…今からすぐ病院行けば助けてもらえる、と車で病院に向かいました。

看護師さんに事情を話し、診察室で先生を待っていたら扉の向こうから院長先生の「破裂??」という声が聞こえてきました。
それくらい何が起きた?という状況でしたが、先生は診察した瞬間何かピンときたものがあったのだと思います。
すぐに傷から出ている浸出液を培養に出して、臨床症状が落ち着くまで入院となりました。
入院中ステロイドの軟膏が効いたようですが、培養結果が出るまでは治療も進まず、傷が1週間経っても治らない状況が続きました。
そして迎えた運命の日。
6. 免疫疾患の疑い
2025年9月26日
培養結果連絡
病院から電話があり、出た培養の結果は感染の兆候はなし、というもの。
その意味するところは「免疫疾患の疑い」という診断。
すぐにステロイド治療を始めることになりました。
ぽにょは「感染性関節炎」ではありませんでした。
細菌やウイルスなどの病原体の感染によって生じたものではなく、免疫が何らかの原因で異常を起こし、自分の体の一部を“敵”とみなして攻撃してしまう状況で、それは赤血球や血小板、皮膚、関節などにさまざまな部位に不調を引き起こしてしまう病気です。
ぽにょは、炎症によって発熱や関節の痛み、食欲不振などが出てしまっているという診断で、原因は不明です。
完治する病気ではなく、ずっとお付き合いしていく病気になり、ステロイドや免疫抑制剤が治療法であり、ステロイドはなくせるのが理想でしょうが、状況からぽにょはたぶんそこまではいけなそうだと推測もされています。
ステロイドには副作用も多くあります。
ただ、作用と副作用を天秤にかけて作用が上回るように微調整しながら治療を続けていくしかなく、まずはプレドニンとクロラムブシルの投薬からスタートしました。
効いたはずの薬剤が2週間で効かなくなることもあり、薬を転々として最後は打つ手がなくなり行き詰まるケースもあるそうです。
とにかく薬が効いてぽにょが楽になること、そして願わくばその薬が長く効いてくれること、本当にそれだけを願って見守る日々が始まりました。

前足の傷もやっとかさぶたに

術後の足の腫れもだいぶ引いてきました
入院中も食欲はなく、缶詰を使いながらも何とか食べさせてくださいましたが、7.9㎏あった体重は一気に7.2㎏に。
食物アレルギーのあるぽにょ、なんとか食べてくれるよう同じ種類の療法食の缶詰を慌てて取り寄せ、一日4回に分け負担のないよう食べさせていくと、薬も効いてきたのか、日に日に食べてくれるようになりました。
そして安定してドライフードのみで食べるようになった時、療法食の缶詰がメーカー欠品となり入荷未定に…数カ月全く入荷の見込みもなく間一髪とはまさにこのことでした。

7. ステロイド・免疫抑制剤の開始
退院し、免疫抑制剤とステロイドを使用し、経過観察をしながらの投薬を継続していました。

クロラムブシルは抗がん剤のため素手で触ることは厳禁。
割る時も厳重に管理して、冷凍保存の薬です。
お薬サポートに包んであげているのでぽにょはおやつだと思ってます。
順調に投薬はできていましたが、次の受診で先生の予想通り、手術で入れた人工物に反応が出てきはじめてしまいました。
免疫疾患からみると、人工物は抜ける限りすぐに抜きたい。そうでないと炎症から関節液が溜まって膝のお皿が浮いてしまい再脱臼してしまう。
整形外科的にみると、今抜いたら固着していないのでせっかく手術した足が再脱臼してしまう。
にっちもさっちもいかない、とはまさにこのこと、という綱渡りの状況です。
そのうち後ろの左足の傷からも浸出液が出始め、足をつくこともできないほど痛みも出てきてしまいました。
少し薬を多くして、何とかあと1か月頑張って、抜ける限りのものを抜きましょう、という方針になり、ようやく迎えた手術の日。

薬の影響で膀胱炎にもなってしまい血尿も
8. 抜釘手術
2025年11月11日
手術日変更
11月11日に日帰りの予定で受診をしましたが、薬の量を多くすることで、浸出液も止まり、状況が改善しているはずだった後ろ足の状況がほぼ変わっておらず、その場で術式変更となりました。
予定より多くの人工物を抜く方針になり、手術日が変更となりそのまま入院となりました。
2025年11月12日
手術内容
・抜釘手術(両膝)
無事に手術が終った連絡を受けましたが、さらなる試練が。
入院時から前足の足首が私でも言われれば分かるほど急速に変形しており、免疫疾患がかなりのスピードで進行をしている状況でした。
それを食い止めるため、前足に装具の装着が必要と診断され、入院中に装具屋さんに採寸をお願いし、オーダーメイドで作成を始めると電話で伝えられました。
9. 装具
2025年11月20日
退院
その後装具は注文中でまだできていませんが、無事に退院となり、ようやく長い入退院、計7回の手術が終りました。
あんなに足がつけないほど痛がっていて元気もなかったのに、退院時は足もしっかりついて、しかも院内を小走りしていてびっくりしました。
培養に出していた人工靱帯の組織からは緑膿菌がたくさん出ており、感染の治療のためしばらく抗生剤を飲むことになりましたが、きちんと飲み切ればこちらは完治になります。

(左が術後、右が術前)

(左が術後、右が術前)
最後の絶対安静期間
ケージレストで声掛けもできなかった(呼びかけると喜んで動いてしまうことを防ぐため)生活から、あと1か月で念願の室内フリー、名前を呼んでもいい生活に!と期待が膨らむ日々でした。
ただ、常にどんでん返しで悪い方に悪い方に転がり落ちていった日々でしたので、期待半分、不安半分の気持ちの揺れる毎日でもありました。
2025年12月11日
装具フィッティング
幸い経過もよく、待ちに待ったぽにょのオーダーメイドの前足の装具のフィッティングの日を迎えました。
動物専門の装具屋さんに装着、採寸、歩行チェックをしてもらい、再調整をして送られてくることとなりました。
これで関節炎の影響を最小限にして通常の生活ができるようになり、整形外科的治療は一旦のゴールとなります。
装具も最初は靴擦れと同じで、硬めの素材で固定している部分もあり注意が必要なため、日々のチェックと注意が必要になります。
装着直後だけではなく、慣れて動き始めた頃も要注意だそうで、装具をつけている限り日々の確認と観察は必須になりそうです。

10. 最後に
ここからは装具と投薬の調整をしつつ、元気に過ごせるよう経過観察の日々になります。
ここまでで大きな治療、高額な医療費がかかるような検査や手術もひとまず終了です。
この医療支援レポートVol.4 ぽにょ②のはじまりであった、「原因不明の両膝再脱臼」は最終診断名「免疫介在性多発性関節炎」によるものでした。
先天的にもっていた疾患だと思われますが、まだ発症原因については解明されていない疾患でもあり、これが原因ですべてのことが起こっていたのかは分かりません。
ただ、放置していれば、間違いなくぽにょは歩けなくなり、関節の炎症とそれに伴うさまざまな症状で苦しむことになったと思われます。
今、ぽにょは装具をつけて短距離のお散歩にも行けるし、カートを使えばお出かけもできるようになっています。


呼吸も苦しくなく、匂いも十分に嗅げるようになりノーズワークを楽しんだりもしています。
※ノーズワークは、犬が本来持つ嗅覚を使ってにおいを探し、自分で考えて見つけるトレーニングです。心身ともに高い満足感が得られ、集中力や自信を育てます。

食物アレルギーも分かり療法食に変えたことで、全身が真っ赤になり掻きむしり血が出るような痒みからも解放され、おやつにはさつまいもを喜んで食べています。おもちゃでも遊ぶようになりました。

これからも、日々の投薬、装具の確認、手術部位を含めた経過観察、皮膚の経過観察と定期的な薬浴や保湿など、ケアすることはたくさんありますが、ぽにょにとってはこれが「日常」になります。
それでも
安心と退屈が隣り合う両義的な領域である「日常」、これがどれほどありがたいことか、痛感しています。
ここまで来るには、高額な医療費がかかったことは想像に難くないと思います。
必要な医療を迷わず選ばせてくれたちばわんの存在なくして、ぽにょの今はありません。
そして、そのちばわんを支えてくださっているのは、皆さまからのご寄付であり、ご支援であることは言うまでもありません。
皆さまからの温かいご支援とお力添えに改めて心から御礼申し上げます。
そして繰り返しになりますが、ぽにょのために費用面においても多大なご支援、手術の執刀と術後のケア、治療方針・相談まで親身にかかわってくださった動物外科診療室 東京 Vet Surg Tokyoの院長 木村太郎先生となないろ動物病院の院長 服部真澄先生、そして皮膚科専門診療で親身に相談に乗ってくださり総合的な治療をしてくださっているAnimal Clinic Liko 早稲田動物医療センター院長の門岡友子先生にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。
また、お名前を挙げきれませんが、支えてくださったすべての方々に、心より感謝を申し上げます。
この記録が、支援してくださった皆さまへの感謝と医療費の使途を明確にお伝えするとともに、高額な医療を要する保護犬の現状へのご理解、そして同じ難病と向き合う他の保護犬たちの一助となれば幸いです。
ぽにょの様子は、Instagram @tsunko1231で更新しています。

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