
それは、あまりにも突然で、あっという間の出来事でした。
【病気の兆候から悪化、治療に至るまで】
2025年11月25日
朝、階段から降りてきた雨くんの様子が不自然でした。
それが、私が初めて気づいた雨くんの異変でした。
いつもご飯の時間になると待ちきれず、真っ先にテーブルに乗ってくる雨くんが、その日はおとなしくテーブルの下で待っていました。
珍しいこともあるものだなと思っていましたが、ご飯の後にみんなで遊んでいる時も、いつもなら登る小上がりの和室に登らず、下でおもちゃが来るのを待っていました。
さらに、歩き方もヨロヨロとしておぼつかない様子になってきたため、これはおかしいと感じました。
前日は私が不在だったため、息子に前日の様子を確認したところ、「そういえばテーブルから降りる時に妙にバタバタしていた」とのことでした。
また、数日前から右目の上の皮膚にも異常があり、不安に思い、その日のうちにA病院を受診しました。
皮膚については猫カビの可能性があるとのことで検査を行いましたが、明らかに様子がおかしい歩行については「様子見」と言われ、特に検査は行わず帰宅しました。
11月26日
朝、2階の寝室から1階へ降りてくる際、落ちそうになりながら階段を降りてきました。
これを最後に、雨くんは階段を登らなくなりました。
この日までは食欲はありました。
この日はB病院を受診しました。
FIPの可能性も考えられるとのことで血液検査と超音波検査を実施しましたが、いずれも特に問題はなく、FIPの可能性は低いとのことでした。
脳神経系の病気の可能性はあるが、その場合はMRI検査をしなければ分からないとの説明を受けました。
他の病気の可能性も考慮してくださり、ビタミンBのサプリメントで様子を見ることになり帰宅しました。
帰宅後も、雨くんはキャリーケースから出ようとしませんでした。
自力で出られないのかと思い一度外に出してあげましたが、すぐにキャリーケースに戻ってしまいました。
この日は、ご飯と排泄の時以外は、ほとんどキャリーケースの中で過ごしました。
目力はあるものの、自力での排泄はかなり難しい状態でした。
(26日深夜 排泄後、少しだけお気に入りの場所にいた時に撮影。猫カビの状態が痛々しい)

11月27日
この日、ついにほとんど寝たきりの状態になりました。
食欲も減退し、食べても吐いてしまう状況でした。
再度B病院を受診し、ソルラクトと吐き気止めの皮下注射をしてもらいました。
FIPの可能性は低く、やはりMRIで調べなければ原因は分からないとのことでした。
帰宅後も、可愛い鳴き声すら出せないほど症状はどんどん悪化していました。
MRI検査が必要だと感じ、神経専門の獣医師が在籍しMRI検査が可能なC病院を探し、翌日の受診予約を取りました。
MRIは非常に高額な検査になるため、ちばわんに連絡し状況を説明しました。
ありがたいことに事情をご理解いただき、MRI検査を受けることができることになりました。
雨くんは、我が家の飼い猫2匹と預かり中の保護猫4匹の中でも、一番元気で運動神経も良く、何より食欲旺盛な子でした。
それが、わずか数日で別猫のような状態になってしまい、気持ちが追いつかず、胸が張り裂けそうでした。
どうか良くなってほしいと、祈ることしかできませんでした。

11月28日
朝一番でC病院を受診しました。
雨くんは立つことができず、お座りするのがやっとの状態でした。
これまでの経緯を一通り説明し、雨くんを病院に預けました。
MRIは全身麻酔下で行い、併せて脳脊髄液の採取も行うとのことでした。
身体への負担が心配でしたが、必要な検査だと信じ、一旦帰宅しました。
〈この日の診療内容〉
神経学的検査
血液細胞検査
血液生化学検査
電解質測定
X線検査
超音波断層撮影検査
静脈点滴
全身麻酔
MRI検査
電気生理学検査
脳脊髄液検査
夕方、雨くんを迎えに行くと、比較的元気そうな様子でホッとしました。
しかし、検査のため後頭部の毛がカットされており、胸が痛みました。
先生からは、MRIや超音波検査でも異常は見つからず、血液検査の結果からもFIPではないとの説明がありました。
ただ、これだけの神経症状が出ているため、症例の少ないウイルス感染による、いわゆる「よろよろ病」の可能性があると言われました。
その場合、治療法はなく、早ければ数日、長くても数週間で亡くなる可能性があるとの宣告でした。
あまりにも衝撃的な内容で、頭も気持ちも追いつかず、感情が追いつかないまま涙だけが溢れて止まりませんでした。
それでも必死に、「何かできることはありませんか」と尋ねるのが精一杯でした。
先生はしばらく考えた後、「できるだけたくさんご飯を食べさせて、手足のマッサージをしてあげてください」と言ってくださいました。
帰宅後の雨くんは、検査の疲れもあってかぐったりしており、排泄も介助なしではできない状態でした。
その後、親身になってくれているちばわんメンバーに状況を報告しました。
すると、経験豊富なメンバーたちが次々に知恵を授けてくださり、FIP治療の権威であるユーミー動物病院の佐瀬先生をご紹介いただき、受診できることになりました。

12月1日
朝一番でユーミー動物病院を受診しました。
これまでの検査結果を確認していただいた上で、より詳しい血液検査、超音波検査、外注のPCR検査を実施していただきました。
院内で結果が分かる血液検査と超音波検査では、特に問題はなく、FIPの確固たる根拠となる結果は得られませんでした。
しかし、「何も手立てがないのであれば、FIP治療薬を1週間だけ試してみますか」と提案していただき、即答でお願いしました。
その場で投薬方法を教えていただき、1日目の投薬を行いました。
12月2日(投薬2日目)
日々悪化していた症状が、昨日から悪化していないように感じました。
それどころか、食欲が回復し、寝たままグルーミングをしたり、座って排尿ができるようになったりと、良い変化が見られました。
毎日の様子を動画で佐瀬先生に報告すると、先生も驚かれていました。
この日はまだ身体はほとんど動かず、声も出ない状態でしたが、首だけ起こしてご飯を食べる姿が見られました。
寝室の窓際に即席のベッドを作ると、ゴロゴロと喉を鳴らしながら落ち着いて過ごしていました。

【雨くんのこと】
雨くんは、兄弟の梅ちゃんとともに生後間もなく保護され、我が家に来てくれました。
我が家に来た当初は、母猫のお乳と味が違うミルクを受け付けてくれず、何とか飲ませようと必死な日々でした。
ミルクを卒業し離乳食になった梅雨兄弟は、離乳食の上を歩いたり、お皿をご飯と勘違いして噛んでしまったりと、手のかかる兄弟でした。
でも、手がかかるほど愛おしく、いつの間にかかけがえのない存在になっていました。
預かりボランティアである以上、別れは付きものですが、素敵なねこ親さんに恵まれ巣立っていく姿を見届けることは、自分と一緒に暮らすことと同じくらいの喜びであり、充実感があります。
雨くんは、猫部屋にいたら猫部屋で、ケージに入れたらケージで、キャリーに入れたらキャリーで満足し、状況が変わってもあまり動じることのない、不思議な強さを持った子です。
身体の自由が利かない状態でも、それを静かに受け入れているような雰囲気がありました。
この日は、そんな雨くんに微かな希望が生まれた1日でした。

【雨くんの回復】
12月3日(投薬3日目)
雨くんが劇的に回復してきました。
朝、雨くんのベッドへ行くと、自力で立ち上がり、その場でお座りをしていました。
下半身はまだ十分に動かせず、すぐにスフィンクス座りになりましたが、前日まで横たわっていたことを思うと大きな変化でした。
声を出そうとする様子はあるものの、まだ発声できる筋力はないようでした。
昼には座って遊べるようになり、夜には自力で排便もできるようになりました。
回復のスピードに驚き、感激しました。

12月4日(投薬4日目)
スフィンクス座りの状態でご飯を食べられるようになり、食欲も旺盛でした。
午後にはよたつきながらも歩く姿が見られ、トイレにも自力で行けるようになりました。

12月5日(投薬5日目)
30cmほどの高さのベッドに自力で登っており、嬉しい驚きでした。
猫じゃらしでも座って遊べるようになり、時々二本足で立つこともできるようになりました。

12月6日(投薬6日目)
全身の毛繕いができるまでに回復しました。
この日を境に隔離生活を終了し、階段も自力で降りてくることができました。

12月8日(投薬8日目)
再診では検査結果に異常はなく、84日間の治療を継続することになりました。

12月10日以降
以前と変わらない日常が戻り、12月16日には高い場所にも登れるまでに回復しました。
年明けには、すっかり元気な雨くんに戻り、毎日仲間たちと元気に過ごしています。

【FIPを経験して思うこと】
FIPは症状の出方が猫によって大きく異なり、診断が非常に難しい病気だと実感しました。
雨くんの場合は神経症状が主で、血液検査や超音波検査では明確な異常が見られず、治療に辿り着くまでに時間がかかりました。
異変に気づき、迅速に行動することの大切さを強く感じました。
最後になりましたが、雨くんの高額な検査や治療は、皆さまからの日々のご支援があってこそ実現しました。
心より感謝申し上げます。
雨くんの経験が、少しでもどなたかのお役に立てれば幸いです。

雨の様子は、Instagram caffelemonadeで更新しています。
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